ラバーダムを用いた無菌的な歯の根の治療(根管治療)

根管治療(歯の神経の治療)でできるだけ歯を残す

根管治療(歯の神経の治療)でできるだけ歯を残す歯は、外側からエナメル質、象牙質で構成されており、その内側に、歯髄(神経や血管)が詰まる「根管」があります。
虫歯が進行し、歯髄にまで達してしまったとき、虫歯部分を削って被せ物を取り付けるだけでは、根管に残った虫歯菌によって虫歯が再発します。それを回避するためには、被せ物を取り付ける前に根管を洗浄・消毒し、薬剤を充填する処置が必要になります。この処置のことを、「根管治療」といいます。

根管治療を行うことで、「抜歯しか手立てがない」という重度の虫歯を伴う歯でも、残せることがあります。歯の根っこだけでも残すことができれば、そこに被せ物を取り付けて、審美性・機能性を回復させることが可能になります。
当院では、視野を20倍にまで拡大できる「マイクロスコープ」、治療中の唾液による再感染を防ぐ「ラバーダム」を活用した、質の高い根管治療を行っております。

根管治療が必要なケースとその症状

虫歯が歯髄にまで達してしまったケース

虫歯を放置するなどして、歯髄(神経・血管)が侵されてしまった状態です。根管治療を行わなければ、通常は抜歯となります。根管治療を行う症例の多くが、こちらに該当します。

症状

炎症が神経に直接響き、何もしていなくてもズキズキと強い痛みを伴います。またその痛みは、冷たいもの・熱いものと触れることでさらに大きくなります。
時間が経って神経が完全に死んでしまうと、一転して痛みは消失します。

歯の根っこに病巣が生じたケース

歯髄にまで達した虫歯をさらに放置してしまったとき、根管治療後に再感染を起こしたときなどに、歯の根っこに病巣が生じることがあります。根管治療を行わなければ、虫歯がさらに進行して抜歯が必要になったり、顎の骨の吸収が進んだりといったことが起こります。

症状

何もしていない状態でも、ズキズキと強い痛みを伴います。痛みは、噛んだときに特に強くなります。

当院の根管治療の4つの特徴

根管治療を成功させるため、ミライノデンタルクリニックでは以下のような取り組みを行っております。

マイクロスコープを使用した精密根管治療

マイクロスコープを使用した精密根管治療視野を20倍まで拡大できる「マイクロスコープ」を導入しています。根管治療では、根管に細菌が汚れを少しでも残してしまうと、被せ物を取り付けた後に内側から虫歯が発生・拡大してしまいます。
マイクロスコープで根管の洗浄・消毒・薬剤充填を徹底することで、虫歯の再発を防ぎます。

ラバーダムを使用した処置

ラバーダムを使用した処置「ラバーダム」と呼ばれる、ラテックスゴム素材のシートを使います。ラバーダムに開けた穴に、治療する歯だけをぴったりと通します。すると、その歯だけが露出し、その他の歯はラバーダムの下に隠れます。
この状態で根管治療を行うことで、治療中の根管に唾液が侵入することを防ぎます。唾液の中には程度の違いこそあれ虫歯菌が潜んでいますから、根管へと侵入させてはならないのです。
※ラテックスアレルギーの方には、専用のラバーをご用意します。

CTによる精密な診断(難治性の場合)

CTによる精密な診断(難治性の場合)歯の根っこの病巣をCTによって確認し、正確な診断、適切な治療へとつなげます。
根管治療後、その病巣が解消されているかどうかのチェックにも適しています。

外科的な歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)にも対応

一般的な根管治療で十分な効果が得られなかった、見込めない場合には、歯の根っこの先を切除する「歯根端切除術」を行うこともできます。外科的に病巣を取り除くことで、症状を改善します。
具体的には、以下のようなケースが適応症となります。

  • 一度根管治療を試みたものの、症状が改善しないとき
  • すでに被せ物・詰め物を使用しており、その除去によって歯が破折する可能性があるとき
  • 根管が湾曲しているなどの理由によって非外科的な根管治療ができないとき

根管治療の成功率は症状によって異なる!?

根管治療の成功率は症状によって異なる!?技術の進歩した現在でも、根管治療の成功率は100%ではありません。また、虫歯の進行の程度、歯の根の状態などによって、成功率は異なります。

  • 虫歯が歯髄に達しているものの、歯の根の先には炎症が広がっていない:成功率約90%
  • 虫歯が歯髄に達しており、さらに歯の根の先に炎症が広がっている:成功率約80%
  • 過去に根管治療を行った歯の根に、再度炎症が生じた:成功率約70%

患者様お一人お一人で状況は異なりますので、まずは一度、ご相談ください。

根管治療の成功率と治療法の選択肢

歯髄や歯の根の状態によって、治療法や治療回数が異なります。おおよその目安を表にしましたので、ご覧ください。

Class1 Class2 Class3 Class4 Class5
成功率 90%以上 80%前後 60~70% 期待できない 見込みなし
病態
  • 歯髄炎
  • 歯の根の病巣なし
  • 歯髄炎
  • 歯髄壊死
  • 歯の根の病巣あり
  • 根尖性歯周炎
  • 再根管治療
  • 根管アクセス困難
  • 根尖性歯周炎
  • 再根管治療
  • 根管形態の破壊
  • 噛み合わせに問題あり
  • 歯周病
  • ラバーダム困難
  • 歯質崩壊著しい
  • 重い歯周病
  • 歯根垂直性破折
  • 予知性乏しい
治療法 の選択肢
  • 根管治療
  • 予後不良時は外科的根管治療
  • 根管治療
  • 予後不良時は外科的根管治療
  • 根管治療
  • 外科的根管治療
  • 試行的根管治療
  • 抜歯
  • 経過観察
  • 抜歯
  • 経過観察
治療回数の目安 根管治療に3回、被せ物の治療に3回の計6回 左記に加え、外科的根管治療1回、翌日消毒の計2回が追加で必要 歯を残せる可能性が低く、残せたとしても再治療が必要になることもあります。また、時間と費用がかかることですので、歯科医とよく話し合い、ご決断ください。

根管治療の流れ

1虫歯の削除

局所麻酔をかけ、虫歯に侵された歯質を削ります。

2歯髄の除去

歯髄をリーマーやファイルといった器具で除去し、根管内を何度か消毒します。

3根管の拡大

のちに薬剤を詰めるため、根管を拡大します。
この処置は、複数回繰り返す必要があります。

4薬剤の充填

きれいになった根管内に、隙間なく薬剤を詰めます。
根管治療はここで終了です。

5被せ物の治療

型取りを行い、被せ物を作製して取り付けます。

6メインテナンス

定期的にご来院いただき、根管治療をした歯、口腔全体をチェックします。

無菌的根管治療→被せ物・メタルフリークラウンの症例

Case1

施術名 自費エンド
治療の概要 噛んだ時の違和感・歯ぐきにできものができるということで来院されました。
過去に神経の治療を行なっている場所の再発でした。
治療中の唾液による感染を防止するため、
ラバーダムを用いて無菌的に歯の根の中・根の先の感染の除去治療を行いました。
6ヶ月経過観察後、感染再発の症状が見られなかったため、
汚れのつきにくい素材で被せ物を装着しました。

根管治療Q&A

歯髄は、普段どんな役割を担っているのですか?

歯髄には、神経、血管が詰まっています。歯質に栄養を届けたり、痛みを知覚することで虫歯などのサインを出す役割を担っています。
つまり、根管治療で歯髄を除去すると、これらの機能が働かなくなります。根管治療が必要になる前の段階で、虫歯を治療することが大切です。

どうして治療回数が多くなるのですか?

根管内に取り残しがあると、後々そこから虫歯が発生してしまうため、何度か洗浄・消毒を繰り返す必要があります。この工程をしっかりと丁寧に行うことで、根管治療の成功率が高まります。

治療中、痛みはありますか?

局所麻酔をかけているため、通常痛みは感じません。もし痛みを感じたときには、すぐに歯科医にお伝えください。麻酔の追加などの対応をいたします。

根管治療後、痛みが出ることがあるとききました。虫歯が再発したということですか?

治療後数日以内に生じた痛みであれば、虫歯の再発の可能性は低いでしょう。おそらく、根管治療の際に刺激された周囲の神経が、痛みを敏感に察知しているものと思われます。この場合、痛みは1週間以内に治まります。また、痛み止めを処方いたしますので、我慢せずに使用してください。
根管治療後、数カ月、何年も経ってから痛みが生じた場合には、虫歯の再発の可能性があります。隣の歯の虫歯だった、歯周病だったということもありますが、いずれにせよお早目にご相談ください。

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